【書評】ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー

リーダーシップ

読もうと思ったきっかけ

リーダーとして成果を出すために90日という短期間でどのようにすると成果が出せるのか知りたくて、購読を決めました。(2014年に出版されている本です。出版から約11年経過していますが、名著でした。)

本を読んだ感想

なぜ90日に着目するのか

アメリカ大統領は、就任から100日で実力を証明しなければならない。あなたは90日だ。新しい任務について最初の数か月にとった行動で、成功するか失敗するかほぼ決まる。リーダーが挫折する場合、必ずといっていいほど、着任から数か月のうちに生まれた悪循環に原因がある。

~~~中略~~~

なぜ移行が重要なのか。1300人以上の人事担当上級管理者を対象に調査をおこなったところ、約90%が「新しいポストへの移行期は、リーダーの職業生活において最も難しい時期である」に同意した。また、約3分の2が「最初の数か月の成否は、その職務全般の成否を占う重大な要素である」に同意した。つまり、移行がうまくいかないからといって、必ずしも失敗するわけではないが、成功の見込みははるかに薄くなる。

この本の冒頭は、アメリカ大統領の就任の話から始まります。アメリカ大統領は100日で自分に大統領としての実力があることを世間に提示しなければいけません。

ここで述べられている重要なことは、以下2つだと思っています。

  • 一定の期間で成果を出すということを意識しなければならない
  • 新しい環境に変わるタイミングの直後(移行期)が重要

新しい環境に変わったタイミングをこの本ではいろんな場合に分けて、紹介されています。

「新しい会社への入社」「昇進による異動」「任務の変更」など。こういった新しい環境に変わるタイミングをこの本では移行期と表現されています。

なぜ90日に着目するのか、それは冒頭の文章にも記載されていますが、大統領は100日で成果を求められます。

また、人事担当への調査結果にも記載されていますが、新しい環境で成果を出し続けるためには、移行した最初の数か月が重要とされており、その数か月を大統領就任の100日と照らし合わせて、90日にしたのだと私は理解しています。90日だとちょうど3ヶ月ということもあり、分かりやすいということも考慮してだと思っています。

新しい環境で成果を出すために、移行直後の3ヶ月いかに乗り越えられるか、これが一番重要なことです。

90日間で最初にすべきこと

移行に成功するための最初の仕事は、効率よく学習することだ。効果的に学習すれば、これから90日間の計画を立てるときに必要な基本的な見識が得られる。新しい会社について何を知るべきかを知り、できるだけ早く学ぶことが重要なのだ。

新しい環境でまず初めにすべきこと、そのために学習することが重要と記載されています。

90日で成果を出すためにはがむしゃらに仕事をしていても成果を出すことはできません。まずは、90日と限られていますが、焦らずに現状理解です。何か無理に変革を起こそうとするのではなく、まずは現状を理解して90日に何を成すべきか考えること、そして90日の間で何をするのか計画を立てることが重要です。

リーダーの心構えとは

リーダーは2つの基本的な質問に対する答えを求める必要がある。                      ひとつは、「自分はどのような変革を指揮するために呼ばれたのか」である。この質問に答えなければ、状況に合った戦略を立てることはできない。                       二番目の質問は「自分はどのような変革リーダーか」である。この答えによって、リーダーシップのスタイルをどのように調整すべきかが決まる。                         ビジネスの状況を注意深く診断することで、課題と機会と利用できる資源が明らかになる。

ここで紹介されている2つの答えはとても重要だと思いました。

1つ目は「リーダーとして自分に求められる役割」だと思っています。これは自分が入社した時の相手側から見たときの期待値、異動した時の配属先の上司の期待値です。ここが自分と相手側でズレてしまうと、成果は絶対に出せません。(成果とは相手の期待以上の成果を出すことによって、相手から認められるものだと思っていますので)

2つ目は「自分のスタイル」です。人によって価値観が異なりますので、リーダーとしての自分のスタイルも変わってきます。この本で紹介されているスタイルは主に以下の2つです。

「英雄」タイプは、剣を手に敵に立ち向かう英雄スタイルのリーダーシップ

「執事」タイプは、前面に出ず、変革の必要性について合意を形成するようなアプローチ

この本ではできるリーダーは「英雄」タイプ、「執事」タイプ両方のタイプを取り扱うことができると書かれています。リーダーが直面する状況は5つあるとこの本では書かれており、その状況に応じて「英雄」「執事」タイプを使い分けることで成果を上げていく、状況に応じて柔軟にスタイルを変えることができるのができるリーダーなのだと思います。

読んで得た気づき

私がこの本で学んだことを一言で表すとしたら、

「焦らず現状理解。現状から目標を設定し、計画を遂行」

です。

この本で紹介したことはほんの一部にしかすぎません。例えば、以下のキーワードにピンときた方はご購読をオススメ致します。

  • 新任リーダーが直面する5つの状況に対する対策が知りたい
    • 立ち上げ、立て直し、急成長、軌道修正、成功の持続
  • 新しい組織の課題の見つけ方を知りたい
  • 効率よく学習するための方法は
  • 成果を出すために上司との接し方(交渉の仕方)

この書評でこちらの本の良さを少しでも伝えることができていれば、とても嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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