【書評】「好き」を言語化する技術

読もうと思ったきっかけ

本の帯に書かれている『すごく感動したのに「おもしろかった」しか言葉が出てこない・・・!!』に目を引かれました。

私は読書が趣味で日頃から本をよく読むのですが、読んだ後の感想が「面白かった」「わかりやすかった」「勉強になった」と単調な感想になりがちで、本の帯を見たときに「自分のことみたいだな・・」と思いました。

普段人と話すときも人の話を聞くことが多く、自分の話をすることが少ないです。

理由は、自分の考えに自信が持てていないからだと思います。自分の考え方が浅はかなのではないか?と他人に思われるのを気にしているのが原因なのだと考えています。

この本でも書かれていますが、最近はSNSの流行により他人の考え(発信)を目にする機会が昔と比べてとても増えました。他人の考え(発信)を目にすることで、自分の考えがいかに浅はかなのかを知る機会が増え、自分の考えに自信がなくなってしまっているのではと感じています。

この本を読むことで自分の考え(思考)を深め、自信を持つことができるといいな、と思ったのが読もうと思ったきっかけです。

本を読んだ感想

一番大切なことは「自分だけの感想」を表現すること

「自分だけの感想」とは、「他人や周囲が言っていることではなく、自分オリジナルの感想を言葉にすること」なんです。

著者の三宅さんは自分の「好き」を言語化するために一番必要なことは「自分だけの感想」を表現することと書かれています。

私が生まれた時と比較すると今はインターネットが普及し、パソコンを開かないと見れなかった情報もスマートフォンを使うことで、見たい情報を瞬時に知ることができる時代になりました。

自分の知りたい情報をGoogleで検索すればすぐに答えが見つかります。                           最近では、生成AI(ChatGPT、Copilotなど)に聞くことで、もっと効率的に情報を知ることができます。

こんな時代だからこそ、意識しなければすぐに自分考え方は他人の言葉に流れてしまうように思います。(三宅さんも同様のことを書籍に記載されていたと思います。)

この書評を書いている時点で、私自身三宅さんの言葉の影響をとても受けていると感じています(苦笑)

他人の言葉を受けて行動することは良いと思いますが、他人の言葉で自分の言葉に影響を受けないようにしないといけない、と思いました。

感想を書く上で必要な能力は「妄想力」

感想をかくうえで大切なのは、読解力でも観察力でもありません。                         何が必要かといえば「妄想力」なのです。                                      「妄想力」とはなにか?                                           それは、自分の考えを膨らませる能力のことです。

この本を読むまで感想を書くうえで必要な能力は読解力だと思っていました。アウトプットするうえでインプットが重要だと考えていたのです。

自分の考えを発信するにあたり、内容を理解していなければ自分の言葉も考えることができず、結果的に発信できないと考えていたからです。

でも、三宅さんの本では感想を書く上で必要な能力は妄想力だと書かれていました。

初めは「妄想力」という言葉に少し違和感を感じました。                                   感想を書くにあたり「妄想力」ではなく、「要約力」のほうが必要なのではないかと思ったからです。

考えるとすぐに分かりますが、要約だと自分の付加価値をつけて発信することができません。

つまり、要約は相手の言葉をまとめることであり、自分の考えは含まれていません。                    自分の言葉がなければ、どれだけ発信しても他人の目には触れられず(埋もれてしまい)、自分ならではのアウトプットは残せないと思います。

他人の言葉ではなく、「自分の言葉」を作る

他人の言葉を拝借するんじゃなくて、自分の言葉をつくりだす。                          その姿勢が、あなたの、自分自身への「好き」への信頼を生みだす。

今、世の中にはたくさんの言葉であふれています。

スマートフォンを使っていると使用履歴から広告が表示されたり、ニュースアプリから知りたいと思っていた情報が表示されたり、自分が知りたい情報を取りにいく生活ではなく、情報が勝手に流れ込んでくることが増えてきたと私は日々感じています。

だからこそ、自分の意志と関係なく、他人の言葉が自分の目(頭)に入り込んでくることが増えてきました。

自分の意志と関係なく、スマートフォンを操作していると情報が流れ込んでくる。                       

そうすると、自分の言葉を作る(考える)前に他人の言葉で自分の頭が上書きされてしまい、自分の言葉を作ることができなくなる。このことが他人の言葉を拝借することになることだと私は理解しています。

本当に自分だけの言葉をつくりたいと思った場合、私たちは意識的に行動を変える必要があるのではないかと思いました。

  • スマートフォンで関連する情報は見ないようにする
  • 考える時間を意識的に作り、その間はスマートフォンは使わない

自分だけの言葉をSNSや友人、同僚へ発信を行うことで、自分の自信にもつながる気がしています。

私自身これまでそのような経験が少なかったから自信が持ててなかったのかな、とこの本を読んで感じました。

読んで得た気づき

誰でも簡単に発信できる世の中になっています。

そんな世の中だからこそ、自分だけの言葉を発信しないと自分の価値を見出すことができないと感じました。

ChatGPT、Copilotなどの生成AIを使うとWeb上にあるすべての情報から要約して回答してくれます。そんな状況の中でありきたりの表現、言葉を使っていると自分の言葉も生成AIに要約されてしまい、何の価値も生み出せなかったことになるのではないかと思いました。

仕事、プライベートどちらも自分だけの言葉を意識すべき。

そのためには、他人の情報に流されないように生き、自分の経験・考え方と紐づけて考えることで自分だけの言葉を作ることができる、ということに気づかされました。

その結果、自分に自信が持てるそんな人間になれるのではないかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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